リーダーシップ研究アカデミー主宰 網あづさ
支援対話研究第3号掲載, 2016
現代社会は、なにが善くてなにが悪いのか、貧困、格差、自殺、詐欺、金融危機、テロ、異常気象など、混沌としている。このような世の中で、リーダーシップを、強者と弱者、win-winやwin-loseのように自分と他者の利益を区別する二者択一の枠組みでとらえていると、強者や勝者は「自分さえよければいい」、弱者や敗者は「他人事のリーダーシップ」を語るだけになってしまう。本稿では、「内包的な自分」という概念を提言し、自分を取り巻く環境を運命共同体プラットフォームととらえ、そして、「意識していない層」にある欲求を「存在層アジェンダ」ととらえる。現代社会の問題を解決する方法として、「内包的な自分」が「存在層アジェンダ」を探求し実践する「自分事のリーダーシップ」を提言する。
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網あづさ、リーダーシップ研究アカデミー主宰
「困ったときは自分アジェンダ®を 実践~パワハラ事例から」は、2020年9月に学問の大衆化シンポジウムで発表したスライドです。実際のパワハラ事例を、状況対応リーダーシップ®にもとづいて現状分析し、自分アジェンダ®でパワハラ状況からの脱出を試みています。
困ったときに、受け身で待つだけではなく、諦めてしまうのでもなく、自分なりにできることを行動する考え方と方法を提案します。待っていても助けは来ないし、諦めれば困ったことは解決しません。
リーダーと聞くと、偉い人や強い人がイメージされるので「わたしには関係ない」と感じる人は多いかもしれません。まして困っているときや弱っているときには、リーダーシップという発想もなかなか浮かばないかもしれません。
リーダーシップを、偉い人や強い人から感じられる大きなものだけではなく、自分なりの等身大のリーダーシップもあると捉え直してみるのはどうでしょうか? どのような場面でも、自分をリーダーに置き、自分の周囲360°に「こうしてもらいたい」と働きかけるリーダーシップを、自分アジェンダ®と呼んでいます。
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状況対応リーダー (ポール・ハーシィ著 、山本(網)あづさ訳 山本成二監修)
状況対応リーダーシップ®の応用範囲の広さをドラマチックに示している使いやすいガイドブック。状況対応リーダーシップへの簡潔で強力な入門書。
1. まえがき2. 訳 者 序
3. プロローグ
4. 序章
5. 第1章 部下の管理
6. 第2章 リーダーシップ・スタイル
7. 第3章 状況の診断
8. 第4章 最適スタイルの選択
9. 第5章 リーダーシップ責任の確立
10. 第6章 フォロアーを育てる
11. 第7章 仕事振りをめぐる諸問題の解決
