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画像 Azusa Ami, Ph.D.
ELA研究会は、創造と実践の「実験の場」
2011年 08月 10日(水曜日) 15:52 - Azusa Ami, Ph.D. の投稿
 
リーダーシップ研究大学は、新しいリーダーシップ理論やモデルを創造する場、CLS Japan本部はS.L.をより発展的に実践する場として活動しています。実践と創造のリーダーシップ研究会、略称ELA研究会(Entrepreneurial Leadership Academy)は、そういった創造や実践の実験の場になっています。

 

現在の研究テーマです。今後、研究ノートをまとめていきたいと思っています。
  • 複数リーダーによるチーム・リーダーシップ
チーム・リーダーシップはS.L.でもテーマの一つですが、チームの成長段階によって教示的、説得的、参加的、委任的とスタイルを変えて対応することが有効であると考えられています。S.L.で説明されているチーム・リーダーシップの前提は、ひとりのリーダーと複数のメンバーです。しかし、現代のように急激な変化、不確実性、スピードの高い環境では、複数リーダーが協力してチームを動かす必要性が高まっています。そこで、複数リーダーによるチーム・リーダーシップ機能を、プロセス・リーダーシップとコンテンツ・リーダーシップという概念を使ったチーム・ダイナミズムでとらえようとしています。

専門性の高いチームでは全員が何らかのリーダーシップを担っている場合もあります。できたばかりのチームはチームレディネスが低いので、各自の専門性がどんなに高くても、チーム効果性は低いかもしれません。この場合は、プロセス・リーダーがどのように働きかければいいのか、などのような研究や実験を行っています。
  • 潜在的レディネス(気づきから行動へ)
S.L.は行動科学の分野で発展したリーダーシップ・モデルであり、最適リーダー行動をどのようにとるかという「行動化」に重点が置かれています。S.L.モデルにおけるレディネスは、測定可能・指標化可能な行動で診断しますので顕在的です。顕在的レディネスは、所与のビジョンや目標のもとで、最適リーダー行動を行動化させる重要な指標になります。

では、ビジョンや目標を「創造」する場合は、何が必要でしょうか。ここでS.L.の4つのレディネス・レベルという概念を応用して、心のなかのレディネス、すなわち潜在的レディネスを考えました。顕在的レディネスでは、フォロワーが他律的から自律的へと質的転換が生じたときに高レディネスに成長しますが、潜在的レディネスでも「閃き」や「A ha!」という「気づき」を経て、過去の考えや行動から未来の考えや行動へと質的転換が生じ、新しいアイディアや新しい行動の創造が生まれると考えます。

  • S.L.の組織への応用
組織は規模が大きくなるにしたがって、危機をひとつひとつ乗り越え成長していくという説があります(グレイナーの組織成長段階説)。この説はインターネット検索で簡単に見つかりますが、通常の組織は次のような成長を遂げるとされています。
  • 創造による成長
    • リーダーシップの危機
  • 指揮命令による成長
    • 自治の危機
  • 権限委譲による成長
    • 統制の危機
  • 調整による成長
    • 繁文縟礼の危機(形式主義)
  • 協働による成長
    • ?心理的飽和状態?
グレイナーが指摘する組織成長は、S.L.では、指揮命令(教示的:S1)→権限委譲(委任的:S4)→調整(説得的:S2)→協働(参加的:S3)という順序で成長していると表現できます。組織が心理的飽和状態に陥ってしまうのは、成長する段階において人間的側面がないがしろにされてきたからではないか、とS.L.では考えています。組織やチームの成長においても、組織レディネスやチームレディネスに対応させて教示的:S1(指揮命令)→説得的S2(調整)→参加的S3(協働)→委任的S4(権限委譲)というリーダーシップをとることによって、ストレス・コントロールができるのではないかと考えています。
  • 自分アジェンダによるリーダーシップ
リーダーシップ研究で使われる「アジェンダ」とは、ビジョンや目標など、これからやろうとしていることを示す用語ですが、大きな組織でも小さな組織でも非営利でも個人でも自分に対しても用いられます。

動機づけでは、ビジョンや目標をいかに自分のものと感じるかがもっとも重要なポイントだと言われます。自分にとって価値あることであれば、他人に押されなくても自ら行動します。「自分アジェンダによるリーダーシップ」では、自分にとって価値あることを「自分アジェンダ」と定義し、自分アジェンダを叶えるために自ら成長するようS.L.セルフを使うことを提案しています。

また、「本当の」自分アジェンダは、社会の制約のなかで表面的に考えているだけでは気づかないので、「本当に価値あること」に気づく潜在的レディネスの成長も必要になります。

旧レディネス研究会時代の研究テーマです。
  • 研修ツールの開発
リーダーシップやマネジメントのさまざまな現象を模擬的に体感するための研修ツールの開発・トライアルを行っています。講座で聞いたり本で読んだことを頭で理解するのではなく、実際に体験してみて「こういうことか」と体感してもらうために、研修ゲーム、ケーススタディ、ロールプレイなどの研修補助ツールを開発しています。このような体験型の研修ツールは、参加者が自ら気づくよう進めなければならないため、ファシリテーションが非常に難しいという難点があります。会合では、研修ツールのファシリテーション・スキルアップ練習を行っていました。
  • S.L.事例集:あらゆる場におけるリーダーシップ現象のS.L.分析として
リーダーシップは、目標があるところであればどこでも生じる現象です。政治やビジネスだけではなく、家庭、学校、サークル、井戸端会議、趣味、遊び、などあらゆる場面で生じる現象です。S.L.で説明すれば、もやもやしたことも自分なりに整理でき、整理できれば、未来に向かって前進しようという気持ちが生まれてきます。
  • 自己実現のリーダーシップとしての「S.L.セルフ」
S.L.の成長サイクルを、自分に対する自己成長リーダーシップとして応用することができます。S.L.セルフでは、リーダー行動をプロセス・リーダーシップとコンテンツ・リーダーシップに分けます。自分の目標達成のためのプロセスリーダーは自分、コンテンツリーダーは外部の人や情報に、そして自分のなかに求める工夫をします。このことによって、見過ごしてきた価値に気づき、それらを活かす方法が考えられます。