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リーダーシップとグローバル的視点 博士課程 橋本壽之
2008年 08月 5日(火曜日) 07:42 - Hisayuki Hashimoto の投稿
 

リーダーシップとグローバル的視点

 8 /4/2008   橋本壽之

 

 リーダーシップとグローバル的視点(1-6) 博士課程 橋本壽之 フォーラム  リーダーシップとグローバル的視点 続き(7) 博士課程 橋本壽之 フォーラム

<抜粋>

1. はじめに

現代は、その善し悪し、好き嫌いに関わらず、グローバル化の影響を避けては通れない状況を迎えている。では、このような状況下におけるリーダーシップとは、どのような様相を呈するのであろうか。

国境の障壁が低くなりグローバル化が進むと、人物金の世界的規模での流動化が進み、経済や文化の交流は促進される、と言われる。事実、情報通信、輸送交通の発達を背景にしたグローバル化の進展は、世界の出来事は瞬時に世界中いたるところで入手可能にし、各地の文化・芸能も居ながらにして楽しむことを可能とし、全世界の製品は国境を越えてどこでも自由に入手可能とし、庶民の世界旅行でも容易にするなど、世界は急に小さくなってきた。それでは、世界は均質化し、没個性化が進み、各国の文化やローカル性は次第に失われ、それとともに国家の存在意義、その果たすべき役割は、次第に縮小化していくのであろうか。現実には、アイデンティティは尊ばれ、国家はこれまで以上に重要な役割を期待される場面がでてくるように思われるが、これらはグローバル化の進展とどのような関連を持つのであろうか。

また、グローバル化が進展する過程においては、国境を越えて異なる文化や考えが入り込むと、それまでの文化や考えと衝突を生むことはないのであろうか。たとえば、米国のディズニーランドからオリエンタルランドに、舞浜で映画テーマパークを実現するよう話が持ち込まれた際は、舞浜という海の立地条件に映画テーマパークを作ることにオリエンタルランドは納得がいかなかった。同社は海のコンセプトにこだわり、米国ディズニーランドは創業者の理念を携えて協議を重ね、結果的には当初計画は変更され、東京ディズニーシーが開発された。このように考えに相違が生じた場合、どのように意見調整され、問題解決へと導かれるのであろうか。

翻って、戦後のわが国の経済発展を振り返ると、近距離のアジア諸国より先に、遠距離の米国との交流が活発化した。と言うことは、グローバル化を果たす要因とは、必ずしも距離の克服ばかりではなく、それ以外の克服要因がありそうである。しかも、それらは克服する上で 難易度に差があるように思われる。では、いったいその難易度の差はどのようなものであり、それらはどのように説明できるのであろうか。

更に、国家間の中には、今なお戦闘状態にあったり、戦闘は休止していても一触即発の状態であったり、領土や資源問題で激しく対立するなど、深刻な懸案材料を抱え敵対関係にあっても、その一方ではたとえ部分的であっても正々とした接触を保ち交流を継続するケースがある。わが国を取り巻く環境だけをあげても、枚挙に暇がない。日ソ中立条約を一方的に破棄し、日本に宣戦布告したソ連(ロシア)とは、領土問題は未だに解決していないし、平和条約も締結されていない。それにもかかわらず、経済交流は行われ、わが国からは大量な資本と技術力を投入してシベリア資源を共同開発する話は進展している。また、日中関係は、尖閣諸島でのエネルギー開発をめぐる確執、歴史問題、日本の常任理事国入りへのあからさまな妨害活動、毒入り餃子事件への不誠実な対応等、各所でトラブルは絶えないものの、日本からは多量の資本・技術が中国に投入され、経済交流は活発化している。北朝鮮との間では、北の核兵器・ミサイル開発は世界中でわが国が一番直接被害を蒙る立場にあるにもかかわらず、一部船舶の入港を認めてきた経緯もある。このように正常とは言えない環境下においてもなお、交流を継続する要因とは一体何か、またその継続が崩れる要因とは何であろうか。

これらの疑問につき、以下考察を進める。